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HOME > 鉄道・バス車内写真 > 特急・急行 > 185系「踊り子」「湘南ライナー」ほか

185系「踊り子」「湘南ライナー」ほか - グリーン車 / 普通車

東京と伊豆を結ぶ特急「踊り子」号。令和の今日では既に「最後の国鉄型特急」となった185系が一貫して運用されています。この車両、特急型を示す185系という系列名を与えられながら、「特急にも、普通にも使える車両」というコンセプトで登場しました。その概念は「ドアは幅広の1000mm(急行型と同一)」「座席は非リクライニングの転換クロスシート」など “普通列車と特急の「折衷」”という形で、車内設備にも反映。ちなみに、当時「白地に緑のストライプ」という塗装は斬新だったそうですが、車内設備はそれ以上に“斬新”だったわけです。
ところがこの開発コンセプトは、裏を返せば「特急では設備が貧弱、普通では乗降に時間がかかる」ということ。 1981年のデビュー後、特急「あまぎ」と急行「伊豆」、プラス普通列車と、さっそくオールマイティーに活躍を始めるのですが、程なくその“裏返し”が顕在化してしまいました。普通列車の運用は早々に削減され、「普通では乗降に時間がかかる」は解消されましたが、一方で「特急では設備が貧弱」は解消されないまま、特急「踊り子」をメインに運用されることになります。
その後、1999年から行われた内装のリニューアルによって「特急では設備が貧弱」が払拭され、ようやく“名実ともに特急車”に。他の国鉄型特急車が続々と引退していく中、令和の時代まで「特急の定期運用」を守り続けてきました。しかし2013年から余剰廃車が始まり、2020年には直接の後継となるE257系2000・2500番台も登場。2021年3月をもって定期運用から撤退しました。いよいよ「最後の国鉄型特急」の終焉が、間近に迫ってきているようです。
さて、当ページでは主に「踊り子」「湘南ライナー」で運用される、元・田町区所属の185系の車内を詳しく見ていきます。元・新前橋の車両は>>こちらの別項目で紹介していますので、併せてご覧ください。

モケット

(↑)グリーン席
(↑)カーペット
(↑)カーテン

撮影日時・場所

撮影日:2014年3月15日、2016年4月19日、2019年12月10日ほか
撮影場所:大船駅 車内ほか

備考

※特にありません。

4・5号車 グリーン車 ※7両編成の場合4号車

ではグリーン車から見ていきます。グリーン車は1999年から施行されたリニューアルで座席そのものが交換されており、車両の“年式”のわりに座席回りだけはそこまで古めかしい雰囲気を感じません。また、「リニューアル」と言っても、座席以外まで大きく手を加えたというわけではないようです。国鉄型らしい無骨な荷物棚、シンプルな天井回り、擦り切れそうなカーペット(笑)も、特に改造されることなく現代まで残っていますねぇ。

車内を後ろから見たところ(左)と天井の様子(右)。座席背面には「テーブルの設置場所」と言わんばかりの窪みがありますが、背面テーブルの類は座席には設けられていません。

座席

座席の様子。(左)が一般席区画、(右)が車端部の区画となります。
シートピッチは1,160mm、付帯設備はインアームテーブルとフットレストと、グリーン車として最低限の水準は一応クリア。座席表面はそれなりに張りがあり、リクライニング角度も実際に着座すると、写真で見る以上に深く倒れた感覚を覚えることから座り心地は悪くありません。しかし、横幅が実際そこまで広くないこと、さらにセンターアームレストが省略されているので、付帯設備や居住性も含めたグリーン車としての評価はあまり高くつけられないところです。
センターアームレストが省略された理由は(ネットや文献を見る限り)諸説あるようで、軽く見た限りでも「同区間を走る『スーパービュー踊り子』との設備差(A特急料金とB特急料金)との釣り合い」「踊り子のメインの客層はファミリーやカップル」「そもそもリニューアル前の座席>>R27からセンターアームレストはなかったため、設備水準を揃えた」など、着眼点も考え方も多様な説が提唱されていました。とはいっても、恐らくどれも間違ってはいないのでしょう。2000年代の“特急のグリーン車”にこの設備が相応しいかは別にしても、さまざまな理由が重なってこの仕様になった、というのは想像に難くありません。
個人的には、リニューアルを機会に(良い方向に)大化けするチャンスだったかもしれないのに…と思わないこともありませんが…(苦笑)。

座席を正面から見たところ(左)と、座席のフットレストのアップ(右)。フットレストは土足面、土足禁止面の区分けは特段ないようです。そもそもカーペットと同じ布が張られている点から、実質的に土足面のみの模様。従って、素手で触れるのはどうにも抵抗があり、脚をわざわざ上げた“行儀の悪い格好”をしてフットレストを展開する必要があります(苦笑)。
わりとどうでもいい話なのですが、このフットレスト部分をよく見ると「グリーンマーク」が形成されている点に注目です。単に強度確保のためなのか、あえてグリーン車のマークに成型したのかは知りませんが、ちょっとした本系列の見どころなので紹介してみました。

車端部 フットレスト

車端部の区画は、リニューアル前からのフットレストがそのまま残っています。土足禁止面の布こそカーペットと共通ですが、いまや早々お目にかかれない(というか185系以外では絶滅したと思われる)古き良き「国鉄型特急」の設備が首都圏で健在なのは、間違いなく“特筆に値する”でしょう。フットレストだけとはいえ、あえてこの区画を指名買いして、今も残る昔ながらの設備に触れてみるのも良さそうです。
(左)が土足面、(右)が土足禁止面を展開した様子。いずれも通路側を一番低く、窓側を一番高い位置にセットしています。このフットレストは根元にある四角状のペダルを踏む(又は押す)ことで3段階に高さが調節でき、国鉄型特急のグリーン車では“お決まり”の仕様でした。ちなみに始発駅での入線時は、基本的に一番低い位置にセットされて出てくるようです。

車内設備各種

では以降、車内設備を見ていきます。写真(左)が荷物棚、(右)は窓間のコートかけの様子。いずれもデビュー当時からの仕様で、現在に至るまで大きく手を加えられていないようです。窓間のコートかけはアッパークラスらしい金色。いくら「特急にも、普通にも使える車両」とはいえ、ここだけは「特急のグリーン車」としての“矜持”を感じるポイントです(笑)。

通路の様子(左)と、185系の特徴でもあるロールカーテンのみを降ろした様子(右)。横引のカーテンも併設されており、必要に応じて使い分けることができます。

デッキと客室の仕切扉

デッキと客室の仕切扉の様子(左)。仕切扉には手すりが設けられていますが、扉の開閉そのものは自動式です。なお、近年よく見られる赤外線式ではなく、足元のマットを踏むと開く方式なのが“時代”を感じるポイントです。
仕切扉上には小さな絵画がかけられており(右)、写真以外にもいくつか種類があるようです。特に伊豆に関連しているか、というとそうでもないようですが…(苦笑)。

車両番号表記(左)と仕切扉の「自動」の表記(右)。この何とも言えない“味”のある書体も、最近ではほとんど目にしなくなりましたねぇ。

デッキ部分の通路ほか

グリーン車のデッキ部分の通路はこんな感じ(左)。なにぶん設計が古いためか、現代の車両で見られるような「入口から感じるグリーン車のステータス」の類はほとんどありません。デッキと客室の仕切扉は擦りガラスとなっており(右)、これが“外部と隔絶されたアッパークラスへの入り口”を示す数少ない要素でした。

車掌室の脇には「乗客専務車掌」と書かれた名札入れが(左)。これは国鉄時代にあった職名だそうで、車内改札や接客をメインに担当する車掌とのこと。JR化でこの呼称は廃止され、現在は単なる「車掌」ですが、それゆえに185系の長い歴史を感じるポイントと言えるでしょう。
余談ですが、国鉄型の特急や寝台車では、(大規模なリニューアルが施されているものを除き)2010年代に入ってからもちらほら残っていました、しかし、車両そのものの引退が進んで、首都圏でこの名札入れが日常的に見られるのはこの185系が最後と思われます。乗車した際にはぜひ見てみてください。
変わって(右)はトイレ・洗面台を備える5号車にて撮影したもの。通路に面した鏡も国鉄メークの車両らしいデザインです。

グリーン車 洗面台

最後にグリーン車の洗面台とトイレをご紹介。まずは「グリーン車の洗面台」からですが、後述する普通車のそれと大差はありません。デビュー当時から特に手を加えられていないようで、独特の形状をした水栓が、令和の現在もそのまま残っています。

グリーン車 トイレ

で、トイレの様子(左)。グリーン車のトイレは洋式に換装されていますが、ご覧の通りもともと和式便器があったところに(半ば無理やり)洋式便器を当て込んだような作りになっています。
このトイレは子供連れでの利用にも対応しており、(右)のようにベビーチェアが。すぐ下にある手洗い台の空間を完全に埋めてしまっているので、手を洗う際の使い勝手は、実のところ良いとは言えません。真向かいに洗面台があるので、手を洗う場合はそちらを使え、ということなのでしょうか…。

この項目は2ページ構成です。続いて>>「普通車 編」です。

概説

デビュー年:1980年(車両)

国鉄時代に「特急から普通列車まで幅広く使える車両」をコンセプトとして開発され、1980年にデビュー。

特急・急行での使用を見据えてデッキと客室は分離されているが、普通列車としての運用時に乗客がスムーズに乗降できるよう、他の特急車両に比べてドア幅が大きく取られているのが特徴。

2014年現在は全車が大宮車両センターに所属している。主に「踊り子」(東京〜伊豆急下田・修善寺)のほか、早朝深夜に「湘南ライナー」など各種ライナー運用のほか、繁忙期は「ムーンライトながら」(東京〜大垣)などと幅広い地域に顔を出す。
かつては「草津」(上野〜万座・鹿沢口)、「はまかいじ」(横浜〜松本)などでも使用されていた。

1980〜1982年に製造された車両ながら、2013年3月まで1両も廃車が出なかったものの、同年4月1日に中間の付随車が廃車になったのを皮切りに、最近は徐々に数を減らしつつある。

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